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Re-Mat ECOLUM 人・企業・環境をつなぐ、リマトの産廃コラム

改正大気汚染防止法について(その6)

2023.12.13

改正大気汚染防止法について第6回目のコラムです。
今回は建設廃棄物(石綿含有建材)の適正処理についての回です。
元請(自主施工者)が実施すべきことの概要を法令を絡めて記載します。

特定工事に伴って発生した建設廃棄物(石綿含有建材)の区分

※国土交通省「アスベスト対策Q&A」より抜粋

※環境省環境再生・資源循環局「石綿含有廃棄物等処理マニュアル(第3版)」より抜粋
※上記のうち「特定工事」に伴って排出される建設廃棄物(石綿含有建材)を対象とするため、一般廃棄物については、本稿では取扱い対象外とする。

石綿含有廃棄物の処理フロー

※環境省環境再生・資源循環局「石綿含有廃棄物等処理マニュアル(第3版)」より抜粋

特別管理産業廃棄物(廃石綿等(レベル1及びレベル2))の処理

ア.廃石綿等の種類
①建築物その他の工作物(以下、「建築物等」という)に用いられている材料であって
石綿を吹きつけられたものから石綿建材除去事業により除去された当該石綿
⇒大防法施行令の「吹付け石綿」と同義
②建築物等に用いられる材料であって、石綿を含むもののうち石綿建材除去事業によ
り除去された次に掲げるもの

イ.石綿保湿剤

ロ.珪藻土保湿剤

ハ.パーライト保湿剤

ニ.人の接触、気流及び振動等により上記イからハに掲げるものと同等以上に石綿が
飛散するおそれのある保湿剤、断熱材及び耐火被覆材
⇒大防法施行令の「石綿を含有する断熱材、保湿剤及び耐火被覆材」に同義
③石綿建材除去事業において用いられ、廃棄されたプラスチックシート、防じんマスク、
作業衣、その他の用具又は器具であって、石綿が付着している恐れのあるもの
④・・・以下、略・・・
○廃石綿等(石綿含有建材)の具体例

※環境省環境再生・資源循環局「石綿含有廃棄物等処理マニュアル(第3版)」より抜粋

※なお、上記③の「その他の用具又は器具であって、石綿が付着している恐れのあるもの」
の具体例としては以下のものが挙げられる。
①負圧・除塵装置に使用したフィルタ(HEPAフィルタ含む)
②特殊防護衣、靴カバー
③室内掃除用スポンジ等

○廃石綿等の具体例(石綿含有建材以外も含む)

※環境省環境再生・資源循環局「石綿含有廃棄物等処理マニュアル(第3版)」より抜粋

イ.排出事業者(元請事業者)による管理体制
a.特別管理産業廃棄物管理責任者の設置(自治体により届出必要)
・処理計画(下記参照)の立案と事業場内への周知
・(処理計画実行のための)事業者への助言等
・処理の監督及び管理(委託業者の情報収集、
・マニフェストの交付管理
・日誌、帳簿等の記載、保存
・行政への報告 等

b.処理計画の策定
⇒多量の特別管理産業廃棄物又は産業廃棄物を排出する事業場を設置している
事業者は、当該事業場に係る特別管理産業廃棄物又は産業廃棄物の処理に関
する計画を作成し、都道府県知事に提出しなければならない。
※多量排出事業者とは、
①前年度の産業廃棄物の発生量が1,000トン以上
②前年度の特別管理産業廃棄物の発生量が50トン以上
⇒前年度の排出量により決定されるため、上記①又は②に該当しても当該年度
にその事業場が撤去され存在しない場合については、前年度の発生量に係わ
らず、当該事業場に係る処理計画等の作成義務は生じない。なお、上記②に該
当する場合は原則として、電子マニフェストへの加入が必要となる。
※上記の廃棄物処理法上の処理計画以外に石綿障害予防規則でも「石綿等が使用さ
れている解体等対象建築物」の解体等の作業を行うときは、石綿による労働者の健
康障害を防止するため、あらかじめ作業計画を定め、かつ当該作業計画により石綿
使用建築物等解体等作業を行分ければならない。」とされている。
⇒作業計画にて定めるべき事項
①石綿使用建築物等解体等作業の方法及び順序
②石綿等の粉じんの発散を防止し、又は抑制する方法
③石綿使用建築物等解体等作業を行う労働者への石綿等の粉じんのばく露を防止する方法

石綿含有産業廃棄物(レベル3)の処理

※環境省環境再生・資源循環局「石綿含有廃棄物等処理マニュアル(第3版)」より抜粋

石綿含有産業廃棄物の種類
石綿含有産業廃棄物とは、工作物の新築、
改築又は除去に伴って生じた廃石綿等以
外の産業廃棄物であって、石綿をその重量の0.1%を超えて含有するもの。
⇒石綿含有成形板、石綿含有仕上塗材等
※上記石綿含有成形板及び石綿含有仕上塗材は、廃棄物の区分としては
①工作物の新築、改築又は除去によって生じたコンクリートの破片その他これに類
する不要物(がれき類)
②ガラスくず、コンクリートくず(工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたもの
を除く)及び陶磁器くず に該当する。
なお、高圧水洗工法、剥離剤併用による除去、グラインダーケレン工法等の方法によ
り除去された石綿含有仕上塗材が廃棄物となったものは、産業廃棄物の「汚泥」に該
当する場合がある。

イ.排出事業者(元請事業者)による管理体制
石綿含有産業廃棄物に係る事業場内での管理体制については、法で特に規制されていないが、上記イに準じた取扱いが望ましい。(管理責任者の明確化、管理体制の構築等)

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